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産業保健師とは

産業保健師とは特定の企業・事業所に勤務し、そこで働く社員の応急医療をはじめ、定期健康診断など社員全員の健康管理、健康相談、保健指導、メンタルヘルスケアを行う保健師です。産業保健師は企業の医務室や健康管理室などに常駐し、産業医とともに社員に対する応急医療を行います。緊急時以外には社員の健康管理、過重労働や生活習慣予防への対策、体操やストレッチ指導を交えた健康支援、健康相談などを行います。企業によってはインフルエンザ流行時にマスクやうがい薬を配布したり、予防接種を促す社内情報を流すなど、常に社員が健康・安全に仕事に従事できる環境づくり、健康づくりに視点を置いた保健活動を行います。

 働く人たちを守る法律「労働安全衛生法」においては、常時50人以上の従業員がいる企業・事業所では産業医を選定しなくてはならない規定がありますが、保健師または看護師に関する選任規定はありません。保健師・看護師を含めた日本産業衛生学会産業看護部会認定の産業看護師は約1,300名おり、社員1,000人以上の企業規模を持つ事業所においては90%近くが保健師・看護師を配置していますが、社員300人以下になると非常に少なくなります。

 特に比較的規模の大きい企業では、社員のメンタルヘルスが健康課題となっており、産業保健師の健康管理業務の中でもメンタル面のケアが重要な役割となっています。仕事に対する精神的な不安を抱える社員は平均して約2%いると推定されていますが、昨今は長引く景気の低迷や不安定な雇用情勢が影響し、潜在的なものも含めると約5%の社員が職場に対して何らかの悩みや不安を抱えている状態にあると言われています。
 一方、中小規模の企業においては、産業保健師の配置があまり浸透していないこともあり生活習慣病を抱える社員が多くなっています。生活習慣病は特に際立った自覚症状や健康障害が初期の段階では感じにくいため、つい放置してしまいがちではありますが、日本人の3大死因であるガン・心臓血管疾患・脳血管疾患を引き起す根元となる病気です。産業保健師がいない事業所では生活習慣病の予防・対策は社員の自己管理となるため、改善が進まずかなり悪化した環境にあるケースも少なくありません。

職場のストレス、うつ病による欠勤や休職者、生活習慣病や過重労働など社員の健康課題に取り組み、労働損失を軽減する役割を産業保健師が担っているのです。

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